コンパスで作る地球
「笑うことばかりじゃなくて。」
本当の親友は……
「…。」
「苦しんで…悲しんで……迷惑かけないとね……」
その時に素直に笑えた自分は上出来だと思う。
「だよね…ハハハハ。もー。私……何言ってんだろう。」
真子は鼻をすすって笑顔で返してくれた。
「フハハッ。何?泣いてんの?真子らしくないよー。」
そんな意地悪を言ってみれば真子は頬を膨らました。だけどその姿もおもしろくて顔を見合わせて笑った。
「ねぇ。これ鞄に付けようよ!お揃いでさ……」
そう言ってストラップを揺らす真子。
「えっ?これ?」
私は真子の顔とストラップを交互に見た。真子は真剣そうな顔。
「形は関係ないよ。ほらッ!」
真子がストラップにかかっているビニールを破き始めた。私も半ば強引にストラップを付けた。
学校指定のネイビー色をした通学鞄。そこに派手なピンク色のストラップはやっぱり浮いてしまう。
「ダ…さい。ねぇ恥ずかしいってーこれ。」
「アハハッ…このコンビネーション最高!めっちゃかわいいじゃん。」
そんな風にばか笑いする真子。段々ストラップが可愛く見えてきたじゃんか。