コンパスで作る地球
「はーい!どうぞ。」
「えっ?」
次の日の朝学校の下駄箱で吉野クンにあった。そして私は昨日のお礼にバンダナ男から貰った中の一つを挙げた。
「昨日のお礼に。」
「へぇー仲直り出来たんだ。…あっ。てかこれラブ・アンジェの缶バッチじゃんか。」
「えっ?吉野クン知ってるの?」
「嫌。俺じゃなくて同じ部員の奴が大好きらしくてさ。」
「サッカー部の?」
「うん。部活のキャプテン。しかも隣のクラス。」
まさかのキャプテンですか……それは知ってはいけないことじゃないのかな?
「あっ真子だ!」
そんなことを話していると奥の方で真子を発見した。
「紗耶香。おはよー。」
今聞いたばっかりのキャラクター情報の話をしながら二人で階段を上っていった。
「倉橋ー……管野ー……」
そして突然後ろから私たちを呼ぶ声がした。普通ではなくかなりメラメラとした空気が流れる。
「先生?」
「倉橋ー……昨日数学の問題集お前が集めてくれたよな?」
「ちゃんと…昨日お届けしましたけど?」
握りこぶしをしている担任に私と真子は一歩後ろに引く。
「何で集めた本人のお前が未提出なんだー―ッ!」
「あ…ちゃー。」
完全に忘れていた。てか昨日は上の空だったんだってば。
「あれだぞ…管野もだぞ。」
「先生!私早退したんだよ?」
「関係ない……提出日は前から教えていただろう……なのに未提出だとー?」
メラメラが更に高まる担任。熊のような危険な表情。
「あぁ……。」