コンパスで作る地球
二人揃って言い訳が出来なく顔を見合わせる。
「今から相談室に来い!」
「逃げよ!」
「えっ?」
相談室にお呼びだし。それはかなりの疲労と苦痛であるから真子が思い切った行動をしだした。
「走れー!」
笑いながら真子が私の手をつかんで真っ直ぐの廊下を走る。
「ヤー-ッ!真子!私転びそーう。」
「アハハッー。もっと速く!」
「こらー―!そこ!誰か止めろー!倉橋!管野!」
ガミガミ声の担任の叫びが聞こえてくる。
「まぁまぁ。先生…血圧上がりますよ。こうグッグッと。」
それを吉野クンが止めてくれる。
「吉野……血圧のことを口にしおって。お前!」
「おっ?さらに上がりますよー。ハハハハハッ。」
気軽に話す吉野クンにさらに血圧を気にする担任が怒る。
その姿を背中で感じながら私は真子と風を切って走る。
羽があったら飛べそう。真子と一緒なら不可能なことはないと思う。私はそんなバカな確信をする。
「アハハーッ!ヤバい。」
「うりゃー!」
真子が壊れだす。普通のことをしない。思い付きで行動する。私を楽しませてくれる。
それが管野真子。
私の心友。
【 十人十想 】