コンパスで作る地球



「おーい?尾田クー-ン?」


さっきから動かない尾田クンに三人で顔の前で手を振ってみる。だけど反応ナシ。


じっくり尾田クンに視線を送ってみても反応ナシ。


口をポカンと開けて目をトロンとさせて遠くを見つめてる。


いつもうるさいくらいの尾田クンには不自然なこと。



「おいッ!就也?バカ就也?」


吉野クンが尾田クンの耳元で大きな声を出した。


「俺はバカじゃなーいッ!」


[ガタガタンッ]


「えっ?」


やっとしゃべったと思えばいきなり勢いで立ち上がってバカを否定。椅子。倒れちゃったよ……


「えっ?どうしたの?悩み事?」


私と真子が不安になり尾田クンに問い掛ける。


だけど吉野クンだけが不満そうに。めんどくさそうに問い掛ける。


「何?将也にバカにされたか?」


「あ……ッ。」


ピタリと尾田クンの動きが止まった。顔も引きつっている。どうやら図星らしくておとなしく椅子を戻して座った。


「将也?」


初めて聞く知らない人名に真子が不思議そうにする。


「尾田クンの弟。」


私の答えに納得する真子。


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