コンパスで作る地球



そう。この順位は私にとって一番の悔しさだった。なんだろう?悔しさと言うかずっと飛び越えれない壁であった。


「だって。どれだけ頑張っても一位にはなれないんだもん。私ねこないだのテスト週間すっごい死ぬ気で頑張ったんだよ!眠たくなったらワサビ食べて目覚まして!」


「ワサビを食べて眠気を覚ます?そんなことを……」


「そうだよ!ほかにもまつ毛抜いてみたり!舌を思いっきり噛んだり!頬っぺたつねって。」


「痛い…超イタタッ。」


「考えるだけで無理だ。」

「だけど順位の結果は変わらずだったんだよ……」


やっぱりその時はかなり自分に苛立った。丸一日何が悪いのかって追い詰めた。


今だって段々ムカついてきた。


「でもさー?そう考えると1位の人ってどんだけ勉強してるんだろうねー。私さ一度会ってみたいよ。ハハハッ。」


「ハハハッ。そうだよな。こんなにも倉橋が頑張っても勝てない相手って?本当に人間か?」


ふと真子と尾田クンがそんな話をし始めた。


確かに……一体何組?男?それとも女?そもそも名前を名乗れよ?ちなみに私知ってる人?


「あれ?」


「…。」


私の目の前の吉野クンが無言で不思議な行動をしているのに私は気付いた。不思議っていうか何とも可笑しな?


「えっ?ちょっと急に吉野クン何で手なんて挙げてるの?」


吉野クンは左手にジュースを持ってもう片方の右手を真っすぐと挙げている。


「それ俺。学年トップ。」



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