コンパスで作る地球
「紗耶香?倉橋さーん?」
謎の何か。きっとそれは挑みだと思う。ライバルの顔が分かった瞬間に私自身が燃えだしているんだ。
ライバルって尾田クンみたい?
って!おい!そんなことは今は関係ない……
「関係ないッ!」
[バンッ]
木材の机を思い切り叩く。
「何が?てか何に?」
音から警戒心を持ったのか吉野クンが困った顔をする。その顔に自分の顔を近付ける。
「吉野クンにー。」
怒りを込めて吉野クンの名前を口にした。
「あっ!残念。治斗!お疲れだな!がんばれー。」
「ちょ!お前……自分が無関係だって分かった途端になんだよその変わりようは?俺どうすんの?」
「紗耶香?何で勝負すんの?」
次々といろんなことを口にする三人。そこで恐る恐る真子が私に話し掛ける。
「次のテスト。」
「テスト?」
そう球技大会も終わって全部の三年生が部活動を引退して初めてのテスト。
まさに一番みんなが勉強に集中して難易度の高いしテスト。
それがもう来週の月曜日にある。つまり明日からが勝負のテスト週間になる。
今まで二位だった順位。次のテストではベスト順位を目指すんだ。一位になるんだ!
「……トップの座は私の場所ッ!」