コンパスで作る地球



あることに気付いた。


あぁッ!……しまった。


口が大きく開いた。


そうだ真子は名探偵だった。私の小さなミスに目を光らせる真子。


そして私は後戻りできない発言に後悔する。


私……今ちょうど登校しましたみたいな雰囲気だったけれど手ぶらで来たら可笑しいじゃん……鞄だけが机にあるなんて。


誰だって一度登校して鞄を置いて別の場所に行って戻ってきたって思うよ。


「その……昨日さ鞄を持って帰るの忘れて。アハハッ。」


そんな馬鹿な言い訳に真子は吉本の芸人さんのようなズゴーンと机に倒れるリアクション。


「紗耶香?もう少しマシな嘘は付けないの?昨日は図書館行ってたじゃんか。忘れるんだったら教室じゃなくて図書館でしょうがッ!」


「ごもっともです……」


頭を深く下げた。


私……自分がとっさにでる嘘がこんなにもへなちょこだってことに大ショック……まさに今の効果音はガビョーン。


「何で嘘つくのさ……何でも相談することが何よりも友情の証でしょう?」


真子が恥ずかしそうに言う。そうだよね……沢山の言葉が大切なんだよ。でも……それは女子の友情。


同じ友情だけど女子と男子じゃ違うんだよ……


私は尾田クンや吉野クンがこちらを見ていないかを確認して真子に小声で話した。



「……男の友情って何?」


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