コンパスで作る地球
前と変わらずに綺麗な川もそのまわりの雑草も凄く懐かしく思えてきた。
近くで見たい。
そう思って歩道から階段の所へと行き下まで降りていった。
階段を一段一段下がるたびに自分のセミロングの髪が揺れる。
そもそも中学の時は肩下まであった長い髪を高校に行ってからけじめとしてバッサリ切った。
こんなことしか私はできなかった。本当にこんな小さなやり方だった。
「涼しい……」
川の近くに行くと風が吹き始める。前髪も自由に揺れだす。
ここで下書きだけでも土日の丸2日もかけて描いた。
そして満足出来ずに何度もアングルを変えた。
昔から大切な場所だった。どんなことがあっても無心になれる場所でもあった。
そう心で感じながら周りを見渡していると違う場所に一つランドセルが落ちているのを発見した。