コンパスで作る地球



そうやって学ぶけど……


「…。」


言葉が出なくなった。何で私はこんな難しいこと悩んでるんだろう。真子には簡単に分かったのに。もしかして馬鹿なのかな?私……


「難しく考えすぎ。よく話が分からないけど紗耶香がそんな顔しないといけないの?」


やっぱり真子は冷静でしっかりしてる。真子の言葉はいつも私の心に突き刺さる。


その通りだよ……


「ううん。……私にはそんな権利ないよ。」


だからといって逆に笑えるわけでもない。


[ガラッ]


「おーい。早く席に着けよ!始めるぞー!」


時間より少し遅れて教室にやってきた担任。早く席に着けなんていうけど自分こそ時間を守れよ。


少し不満を持つ。


「…。」


そんなことから今日もまた今までどおりに授業が始まった。


テストまで後の時間は確実に迫っている。勉強に集中したいのは山々だけど気になる。でもやっぱり勉強に集中しないと……今回こそは一位を取るんだ!


「もう大丈夫?」


真子が起立の時に小声で話し掛けてくれた。私の表情が変化したのを真子は気付たみたい。返事の代わりに笑ってみたら真子も頬笑んだ。


ゆっくりでいいんだ。別に早く解決することに意味があるんじゃないし。二人のことを思っていろんなことをしてみればいい。



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