コンパスで作る地球



「……お袋からメールがあったんだよ。」


次に出てきたのはお母さん。その内容が知りたい。


「それで?」


落ち着いている吉野クンは次々と問い掛けた。やっぱり尾田クンの保護者みたいだ。よく尾田クンを知りつくしている。


「何か……まだ家に帰ってこないらしい。」


「小学生がこんな時間に帰ってこないなんて……」


「……あいつは結構時間どおりには帰る奴だからこんなに遅いのは珍しいし……今考えれば様子も変だったって……お袋が。」


頭もむやみにかく尾田クン。凄く心配してる。やっぱりお兄さんだもんね……


「行こう!」


私たち四人は直ぐに学校を出る支度をした。私と真子は女の子だし危ないって言われたけどそれを聞かなかった。そのまま家に帰って待つだけなんてことは嫌だ。


電車から降りてすぐに走って私は尾田クンと。真子は吉野クンと一緒に捜した。


「将也クー-ン!」


「おーい!将也?」


民家から離れていたせいか周りに明かりなんて見当たらなかった。風も強いし何があるのかもよく分からない。


川原。草むら。学校。空き地。尾田クンが思いつく場所を順番に行っては将也クンを呼ぶ。でも返事は来ない。


もう空き地が最後の場所だった。他には思いつかないみたい。それに走って大声を出すのは心臓に悪すぎた。


どうしてこんなに走って探してるのに見つからないの?



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