素顔の君が最高

だって私は、お姫様になれたんですもの。皆が私を羨ましがるし、誉めてくれますもの。

憧れの眼差しを目一杯浴びて私は―――


「あ、さーちゃんおはよう。今日も可愛いね!でさぁ、見に行きたい映画があるんだけど、一緒に行かない?」


ふん。

確か…このチャラついた男の子は、晃人と言ったかしら。最近よく話しかけてくる妙に馴れ馴れしくて、面倒な男の子は。

「ごめんなさい。近頃何かと忙しいの。」

癖になりつつある上目使いで晃人を見上げると…まぁ、やっぱり表情もチャラついているのね。

「いいじゃん!少しでいいよ、映画見るだけでいいからさ!」

…私の何に執着しているのかしら。

見た目?お金?


全てを知れば、相手にしないくせに。




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