素顔の君が最高

「守口さん、大丈夫ですか…?」

クラスの中でも特に優しいオーラを放つ瀬戸さん、本当に優しいみたいだし、何より表情が無垢だこと。お手本にしなくては。

「ええ。ごめんなさい驚かせてしまって。」

「こちらこそごめんなさい。少し様子が違ったぐらいでいちいち驚いて…。」

「いいえ。美しい気遣いをどうもありがとう。」

瀬戸さんは春風に揺れる花のように微笑んだ。

それに引き換え晃人は…

ふん。例えるまでもないわ。

クラスの皆は私と瀬戸さんのやりとりを見て、何か言いたげな顔をしている。

「おはよう、皆さん。」

あちらこちらからおはようございます、と聞こえてくる。


…私はこのように、少し特別な位置にいる女。この位置を目指して、努力したの。

この位置は何があっても保つのです。



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