泡沫の夢
水面に咲く華
あの鬼に出会ってから数日が経っていた。
晴明に「修行しろ。」と言われここ最近修業ばかりしていた。
そんなある日。
「今日は休みだ」
突然晴明が言い出した。
「えっ?何で?」
今日は何もなかったはずだ。
依頼されている仕事もないし―――
「こんなに修業ばっかりしてても悪戯に時間が過ぎるだけだ。たまには休養が必要な時だってある。」
私に言うなら、晴明に休養を取ってもらいたい。
私の倍は働いているはずだ。
何故疲れた様子が見えないのか、かなり不思議だが。
と思っていても晴明に言ったら跳ね返されるだけ。
今日は御言葉に甘えておこう。
「分かった。あんまり晴明も無理しないでね?」
「あぁ。お前に心配させるようになったら私も終わったな。」
「一言多い!」
全く何でこうなのか。
顔は格好いいのだから黙っていればいいのに。
「それじゃ都でも回ってきますか!」
私はぐ~と伸びをして、都に向かった。