一度目、キス【短編】


 そんな金曜日の夜が続いた時、嫌な変化を感じ取った。


 いつものように、夕食の支度をしているといきなり後ろから抱き締められたのだ。

 振り替えると、虚ろな目をした月島がいていつの間にかキスをされていた。


『………ぅ』


 火の近くにいたからか、彼は器用にその場から私を床に押しつける。両手首を絡め取られて動けなくなったせいか、行為はエスカレートしていく。


『ちょっと、黙って』


『ひぁ……くぅ』


 触れていただけの唇からねっとりとした舌が差し込まれる。歯形をなぞられ、舌をも絡められる。卑猥な音と声が混ざって発せられた。恥ずかしくて涙が溢れた。
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