君との関係はバカンス!?【許婚番外編】
でもいつでも聖の思い通りになるなんて思われたくなくて、
あたしは聖から目を逸らし、口をとがらせながら渋々答える仕草をした。
そうしたら、聖に腕を強く引っ張られ、いつの間にか胸の中。
「最初から明に選択肢は与えてないけど」
「……それ、ヒドイよ」
「でも、明と過ごせる休みが嬉しい。楽しい夏にするぞ」
頭から降り注ぐ温かな声色と息遣い。
耳元に響く、聞き慣れた心音。
「……うん。思い出、たくさん作ろうね」
聖の腕に包まれ、あたしは笑顔で頷いた。