100回ありがとう
もう今日の授業は
全く耳に通らなくて。
補習のことばかり考える。
こんなんじゃ
成績下がるばっかじゃんって
そう思いながら。
「SHR以上。はい、さよーなら」
先生がお決まりの台詞を
だらけて言えば
みんなは机を運び出す。
先生はサラっとわたしに近付いて
わたしの耳に
「今日、サボんなよ」
と残していく。
その声はもうくすぐったくて
一人で顔を真っ赤にしてしまう。
茶化したがりの七海が
すぐに寄ってきては
「お待ちかねじゃーん」
とわたしの反対側の耳に
言葉を残す。
「もうっ…」
わたしは軽く七海を叩くと
急いでリュックを持って
進路相談室まで走った。