100回ありがとう
「別に、平気、です」
気持ちが口を通って
言葉になる。
少し俯いたわたしに
先生は微笑みかけた。
「そういうわけにはいかねーけど…、
遅くなった時はちゃんと送るから。
心配すんなよ。
じゃおやすみ」
先生は優しい言葉をかけてくれる。
「おやすみなさい」
わたしもそう伝えて
車のドアを閉めようとした時だった。
「野瀬。」
名前を呼ばれて、
ドキッとすると
先生が携帯を片手に
持っている。
「携帯、教えてくんね?
その方が補習の連絡とか楽だし。
まあSHRが終わってからでも
伝えられるけど、お前友達と話したいだろうし」
急なことで
びっくりしたけど
わたしはすぐさま携帯を出して
赤外線でアドレスを送った。