岩内さん、フォーカス!
廊下を走る様に歩く。



無様だ。

外村先輩は、あんなに落ち着いて余裕だったのに、自分ときたら…。



舌打ち。



自分ときたら、冷静さのかけらも持てずに、反射的に嫌悪感を抱いて…。

子供だ。

自分は、どうしようもなく。



写真新聞部の部室に戻る。



「おう。望ちゃん。おかえり」

「…ただいまです」

「望ちゃん。何が有ったのか知らないけど、元気出しなよ」

「はい…」



巧は溜め息をついた。


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