岩内さん、フォーカス!
更衣室を出る。



「萌。朝練、お疲れさま」



彩香は顎を撫でた。



「もう呼び捨てかい?」

「はい。萌がそうしてほしいと…」

「ふうん」



彩香は口の端を吊り上げて視線を向けた。



恥ずかしい。

コイツにはバレたくなかった。



「…そんな目で見るな」

「岩内~。おアツいじゃな~い?」

「うるさい」

「なによ・なによ。あたしに内緒で随分発展してるじゃない。こりゃ、明日には岩内はロストヴァージンかなぁ?」

「いらん想像をするな」



彩香はゲラゲラと笑った。



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