岩内さん、フォーカス!
「…私、女の子らしい服、持ってないんだけど…」

「それが?」

「…男女が間違われるかも…」



望は微笑んだ。



「大丈夫だよ。萌、キレイだし」



顔を反らす。



ああ。もう。

気恥ずかしい。

これから、こういうノリでくるのか。



「それに、周りのことなんて気にすること…。あれ。萌、照れてる?」

「照れてるよ!」



望はふふふと笑った。



「慣れてね」

「慣れないよ…」

「やぁ。奇遇だな。岩内さん、小日向くん」



振り返ると、トレイを持った英雄がいた。


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