岩内さん、フォーカス!
「…こんにちは、外村くん」



望は英雄を睨んだ。



「こんにちは、外村先輩」

「僕もこれから昼食でね。ご一緒してもいいかな?」



英雄は返事も聞かずに、隣に腰掛けた。



「食堂はいいね。賑やかで」

「いつもは、何処で食べてるの?」

「大抵は放送室かな。昼休みの放送も有るし」

「だったら、放送室で食べたらいかがですか?」



望は険の有る声で言った。

英雄は肩をすくめた。



「たまには、と思ってね」

「職務怠慢ですか」

「息抜きさ」



胃が痛くなりそうだ。

外村くんもタイミングが悪いし、望は尖り過ぎだ。

こんな二人に挟まれて、私は、どうすればいい?

早く、食べてしまおう。



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