岩内さん、フォーカス!
語源をたがえた竜
小日向望は走っていた。
マズイ。
待ち合わせの時間まで、あと五分だ。
十分くらい先に着いて「今来たとこ」って言いたかったのに!
待ち合わせ場所に着く。
膝に手をつき、荒い息を吐き出す。
周りを見回す。
萌はまだ、いないか…。
溜め息をつく。
間に合ったか…。
「望」
顔を上げる。
上品な深い色のワンピースに白いジャケットをはおった長身の女性が、ジャケットと同じく白いバッグを持って、立っていた。
その女性の薄くメイクされた顔を見ても、すぐにそれが萌だと気付かなかった。
「へ、変かな…?」
萌は不安げに服の端をつまんだ。
「可愛い…」
それ以外に、言葉が出なかった。
マズイ。
待ち合わせの時間まで、あと五分だ。
十分くらい先に着いて「今来たとこ」って言いたかったのに!
待ち合わせ場所に着く。
膝に手をつき、荒い息を吐き出す。
周りを見回す。
萌はまだ、いないか…。
溜め息をつく。
間に合ったか…。
「望」
顔を上げる。
上品な深い色のワンピースに白いジャケットをはおった長身の女性が、ジャケットと同じく白いバッグを持って、立っていた。
その女性の薄くメイクされた顔を見ても、すぐにそれが萌だと気付かなかった。
「へ、変かな…?」
萌は不安げに服の端をつまんだ。
「可愛い…」
それ以外に、言葉が出なかった。