岩内さん、フォーカス!
放課後。



総合体育館を避けて通る。





「小日向くん」





凛とした声に、足を止める。





振り返ると、轟美音が腕組みをして、睨んでいた。





「…轟さんですか。なにか、僕に、ご用でも…?」





美音は手を振りかぶり、平手打ちを繰り出した。





弾ける様な音が響く。





「貴方、最近、岩内さまと会ってないわね」

「轟さんには関係ないでしょう」





美音は鼻で笑った。





「結局、貴方も、その程度なのね。なにかちょっと、意外なことが有っただけで、幻滅して、離れていく」




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