岩内さん、フォーカス!
『兄貴。どうする?』

「状況を逐一報告してくれ。見つかるなよ」

『オーケー』



英雄は無線機をしまった。



「さて、小日向くん…―」





英雄が言い終わる前に走り出した。





後ろから、自分を呼ぶ声が聞こえた。





構わず、走った。





なにも、考えていなかった。





萌のところにたどり着くこと以外は。




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