岩内さん、フォーカス!
小日向望はフロアに入った。



竜也と睨み合う。



「風巻竜也」

「よう、腰抜け」

「小日向望だ」



歩みを進める。



「…下の連中は、どうした?」

「仲間に任せて来た」



周りを見回す。

壁にもたれかからされている萌を見付ける。



「…なんで、萌を、無理矢理拐ったんだ?」



竜也は荒い息を吐いた。



「…お互い、ここまできたら、どうでもいいだろうがよ…?」



木刀を足下に放られる。



「…そうだな…」



木刀を拾う。

竜也は新たな木刀を取り出した。

お互いに、木刀を構える。





開け放たれた窓から、風が吹き込む。





階下の喧騒は、遠くに聞こえた。





深く息を吸い、同時に口を開いた。





「「覚悟しろ、この、クソ野郎がぁ!」」





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