岩内さん、フォーカス!
木刀が交わり、手から弾かれる。

竜也は笑った。



「終わりだ!」





木刀が振り下ろされる。





目に映る景色が、ゆっくりと動く。





…終わりか…。

結局、僕には、無理だったのか…。





「それはどうかな!」





「がっ…」





竜也が呻き、振り下ろされる木刀が止まる。





竜也の背後に、折れた木の棒を持った英雄がいた。

木の棒は、竜也の頭に振り下ろされている。



「…邪魔、だぁぁあ!」



竜也の一閃が、英雄の腹に打たれる。

英雄は身を折った。




英雄の背後から、愛歌が躍り出る。

愛歌はスタンガンを構え、英雄を踏み台にして、竜也に飛び掛かった。





「しゃらくせえんだよ!」





返す刀で、愛歌に一閃が打たれる。





木刀が愛歌の腹に打たれ、愛歌はスタンガンを手放した。





竜也は勝利を確信したのか、口の端を吊り上げた。





愛歌が手放したスタンガンを空中で掴み、竜也の首に当てた。





「がぁっ…!」




竜也は痺れ、崩れ落ちた。





荒い息を吐き出す。




…終わった、のか…。





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