ふわり、ひらり
「...雪乃?」


どうしたの?、と私の顔を覗き込む望月くん

あぁいけない

何取り乱してるの、私


「ねぇ、望月くん」


私は持ってきた小さなバッグから少し厚めの本を取り出した


「これ、読み終わったんだ。貸してくれてありがとう」


「あぁ、どうしたしまして」


望月くんはにこりと笑って枕元の棚を開けてごそごそと何かを探し始めた


「? 望月くん?」


「あ、あった」


望月くんは小さな桃色の包みを二つ持っていた


「はい」


彼は私にそれをぎゅっと握らせて、にっと笑う


「それ、あげるよ」





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