ふわり、ひらり
私は、身を起して再び病室を後にした

向かう先は決まってる


それは....


「・・雪乃?」


「望月くん!」


望月くんの病室


急に訪れた私に、望月くんは少し驚いたようだったけれど、すぐにいつもの穏やかな表情を私に向けてくれた


「どうかした?」


「...ううん、なんとなく顔見たくなってさ」


清々しい風が私たちの間を通り抜けて行った


「登校許可、貰ったんでしょ?」


「...ぇ?」


「あれ、違った?」


私は澄んだ瞳で自分を見てくる望月くんに戸惑いながら、こくんと頷いた


「なんで、知ってるの?」


「俺もだから」


「え?」


意地悪くにっ、と笑って望月くんは言った



「俺も、来週から学校行くんだ!」




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