ふわり、ひらり

悲劇と憂鬱

今日は、久しぶりに学校に行ける日


緊張して、わくわくして、遠足前日の小学生みたいに、昨日の夜はよく眠れなかった


制服に身を包み、スクールバックを持って病室を出る


向かう先は、彼のもと



「望月くんっ!」


「おはよ、雪乃」


ふわりと笑う彼に合わせて、私も口元を緩めた


「随分早いんじゃない?」


「えへへ、早く目が覚めちゃってさ・・」


雪乃らしいや、って望月くんが笑う


なんだか少し照れくさくなって俯くと、望月くんは言った


「じゃ、少し早いけど行こうか」


「うん!」


私も大きく頷いて、望月くんの後を追った
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