緑茶カーテン
第1章
☆乙女なら
―――あれはきっと、桜の花びらを見なくなった頃。
「出たよ~緑(みどり)の妄想コーナー!!」
いつも通り、親友・きーちゃんこと、仲村希彩(きさ)とガールズトーク中。
「な、なにその命名!乙女なら誰でも想像するでしょ」
「ふふふ…………乙女って…………ぶはははっ」
この子は"失礼"って言葉を知らないのだろうか。
「ゴメンゴメン。嘘だよー!ね?ね?」
「ニヤニヤしながら言われてもな~?」
「ごめんってば。緑がカワイイからいじっちゃうだけだって!」
私の何倍も美人な、きーちゃんに言われても説得力がないけど。
だって今の私には妄想でしかトキメキを感じれないんだから。
だからかな。長く続いた恋ってのを、一度もした試しがないのだ。