‐勇者とエリスの塔‐
「てことで俺帰るな。」
と言って言ってしまった。
エリスは冠を置いてベッドに入った。
ベッドに入ってもずっと眠れなかった。レードのことを考えて。
エリスは自分の手を見た。
レードの手温かかったな…。あの感覚が消えない。
エリスは冠を手に取った。
あの人からのプレゼント…。大切にしよう。
エリスにとって今日は初めてのことがいっぱいだった。
初めて街に行った。
初めて手を繋いだ。
初めて他の人から者を貰った。
胸が熱い…。何だろう、この気持ち…。もしかして私は………。
でも相手は勇者。私の敵。そして私は魔王の娘。
ありえない………か………。
エリスは考えるのをやめた。