‐勇者とエリスの塔‐
‐数時間後‐
「やっとついたな。」
「うん!!!お父さんーーーー!!!」
と言いながら城の扉を開けた。
すると奥のほうから低い声がした。
「エリスか!!久しぶりだな!!!!」
「それ毎回言ってるよねっ!…今日はある人を連れてきたの。」
「……。誰だ??」
「勇者よ。」
と言ってレードを前に立たせた。
「何故勇者を連れてきた??」
「話があるんだって!」
「魔王。俺の話を聞いてください。」
「じゃあ私外でまってる。」
エリスは外に行ってしまった。
(シーン…)
魔王とレードは黙っている。
レードが口を開けた。
「……モンスターと勇者の戦いをなくす方法はないんですか??」
「それは無理だ。勇者がモンスターを殺す限り、我々も勇者を殺すしかない。」
「それでもっ!!………それでも、戦いを少なくする方法はないのか……。貴方だって人間を愛したじゃないですか!!!だったら人間は嫌いではないはずです!!」
「………。そうだな。私も一人の女性を愛した。でも私はその人を幸せに出来なかった。だから私は人間が住む世界と直接かかわることをやめたんだ。…かかわることをやめてしまったら、他のモンスター達が人間にいたずらするようになってしまった。それが勇者とモンスターの戦いのきっかけだ。……………私がすべて悪いのだ。…すまない。」
レードは黙った。魔王は続けた。
「だから、勇者にとめて欲しい。完全に戦いをとめることは出来ない。しかしいろんな勇者に私の気持ちを伝えてくれないか?戦いが少しでも減るように……。」
「分かりました。貴方の気持ちを受け取りました。全力を尽くして伝えたいと思います。」
「話はそれだけか??」
「いえ………。」