‐勇者とエリスの塔‐
日が暮れた頃、エリスは結界を解いてもらって塔に戻った。
「今日はありがとう。………でもなんでそんなに私のために色々してくるるの?」
「うーん……可愛いから?」
「ちょっ…。何回からかえば気が済むの!?」
「からかってるつもりはないんだけどなぁ…。」
色々話しているとふと勇者が聞いた。
「魔王の娘ってことは、すぐに魔王に会えるのか?」
「いや、一年に一回だけ会えるけど……。この鏡から。」
と言って鏡を指差した。
その鏡はくすんでいて鏡の役割を果たしていない。
「私がこの間あったのは一週間前、だから次会えるのは358日後よ。」
「本当か……。最悪だな……。」
「どうかしたの?」
「魔王に会って勇者とモンスターの戦いをやめてもらうように話合いたいだ。」
「そうなの……。またここに来たらあえるかもしれないわね。」
「そうだな。…俺暇だし明日もくるよ。」
「そう………。って…えっ!?」
「いいだろ?お前もどうせ暇だろ?」
「そんなに暇じゃないんだけど……。後お前って言うのやめて。私エリスって言う名前あるし。」
「…悪かったな、エリス。俺はレードだ。」