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……俺は何をしているんだ?

なぜか頭の熱が急速に冷めていくのを感じた。

ナイフを突き刺している。

……何に?

腕を振りかぶった不格好な状態のまま、『それ』をよく観察する。

「ひっ!?」

俺は『それ』から飛びのき、ナイフを投げ捨てた。

「何で、何で、何でっ!?」

『それ』は俺の大切な人の顔をしていた。

生気の失われた虚ろな目で俺をじっと見つめている。

違う、俺はやってない。何もやってないんだ。


だがその目は、あなたが殺したの、そう言っているようで。

「……てくれ」
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