SWEET BUTTERFLY
第三章
エピソード7
離婚調停が行われる1週間前の昼、珍しく体調を崩した大翔が仕事を早退してきた。
「早く帰って来るなら連絡くらいちょうだいよ…
お昼ご飯の用意なんてしてないよ?」
「体調悪いから…昼飯はいらない。」
「…あ、そう?」
だるそうにソファーに腰をかけた大翔を見兼ねたのか
まだ自分に奥さんとしての責任を感じたのか…
保険証とお金を渡して、面倒がる彼を早々と病院に向かわせた。
「パパどうしたの?」
大翔がいなくなったのがよほど残念だったのか、つまらなさそうに千歌が呟く。
「…パパ、風邪ひいちゃったんだって、お薬もらいに行ったの。」
「注射するの?」
「どうだろうねぇ?」
不安そうな千歌に悪戯にニヤけて見せると千歌は「キャーッ」と騒いで部屋中を走り回った。