SWEET BUTTERFLY
小さく頷いた私に「そいつを愛してるのか?」と大翔らしく率直な質問が飛んだ。
「…恋をしてる。
大翔から見たらこんな女だと思うかもしれないけれど…
彼は私を好きだと言ってくれるんだ…」
「…そうか」と呟いた大翔。
もう私と大翔を繋いでいた糸は跡形もなく消えただろう…。
二人の関係は今ハッキリ終わった。
そう思った時
ゆっくり伸びた大翔の手の平が私の手を包んだ。
「もしも…
もしも俺が小春と離婚したくなくて飛び降りたって言ったら…?」
「本気…?」
怖いくらい真剣なこの眼差しを
どれくらいぶりに見ただろう…。
大翔が冗談なんかでこんな事を言う奴じゃない事を私が1番理解しているだろう…。