SWEET BUTTERFLY
「私が君に「私を待ってて」なんて言う権利は無いね…
私が君を傷つけているだけなら君は私じゃない誰かを見つけてよ…」
「それは…俺のことが嫌になったって事?」
「違う…。」
自分でも驚いているくらい
私は今、枝分かれした道の上で立ち止まっているんだ。
大翔の事が無ければ、きっと今頃は明日おこなわれる予定だった離婚調停を前に、小関君の事を思い浮かべては不安と期待で胸を踊らせていたかもしれない…
選ぶ道は決まっていたはずだった。
それなのに
「もし俺が離婚したくなくて飛び降りたとしたら?」
その言葉に感じたこの気持ちが、単なる同情から離婚調停を取り消したのか
それとも
まだ、心のどこかで大翔を愛しているのか…
考えれば考えるほど
似たような道をぐるぐる回る迷路の中にいるような気分だ。