SWEET BUTTERFLY
どの道の先に誰がいようが
今はまだ考えられない。
ただ
大翔へのこの想いの真実をちゃんと知りたい。
例え、小関君の手を振りほどくような形になったとしても…。
大翔の着替えを詰めたバッグを抱えて病室に入ると
大翔も千歌もぐっすり眠っていて、私に気付いたお母さんが小さく「廊下でちょっと話しをしましょう。」と囁いた。
「大翔君、マンションの階段から落ちてあごを骨折したなんて…
不幸中の幸いだったわね…」
お母さんや千歌にはそういう事になっている。
「体調不良のせいでこんなドジふむなんて大翔らしいけど…」苦笑いで話しを合わせている私に
お母さんが少し不安そうに聞いた。