SWEET BUTTERFLY
携帯に届いたお母さんからのメール。
:先に帰るから、面会時間終わるまでたまに三人でいなさい。
お母さんも、きっと憶測と言えど私が思うよりも私達家族の事を分かっているのかもしれない。
それは可愛い孫のためなのか…
私の事くらいお見通しなのか…
まだ母親新米の私には分からないけれど
私にもいつか
千歌が何も言わなくても彼女を理解して、激励していく事ができるのだろうか…。
「小春…?」
目を覚ました大翔が私を見つけて安心したように微笑んだ。
「着替え、持ってきたよ」
「ありがとう。」
「千歌…いつから大翔で眠れるようになったんだっけ?」
不思議そうに聞いた私に
「そうだな…最近だよ」と千歌の頭を撫でた大翔。
私は知らなかった。
大翔が子供みたいに千歌の遊び相手をすることがあっても
こんな穏やかに千歌に触れる大翔の一面を
そばにいながら
私は何も知らなかった。