SWEET BUTTERFLY
「大翔、お願いがあるんだけど…」
「何?」
「離婚の話しはやっぱりもう少し考えさせてくれないかな?」
「…俺の体が治ったらって事?」
小さく首を横に振った私を大翔は不思議そうに見つめた。
「私、自分の事を棚にあげてちゃんと家族を見ていなかったかもしれない…
でも、だからって離婚をやめるともハッキリ言えない」
そう
今はまだ、信じれるものが不確かすぎて…
私達家族の未来にちゃんと笑顔があるのか…
離婚を取やめた途端にまた、大翔とすれ違わないか…
頭で考えても答えがでない事は分かってる。
それでも
まだ
私は怖くてたまらないんだ。
自分が「女」なのか「母親」なのか
自分が家族をこれ以上、裏切ることがないか…
自分の事なのに
分からない事が怖いんだ。