SWEET BUTTERFLY
大翔が家に帰って来さえすれば…
私も小関君を思い出す時間も無くなるだろう…
最初に小関君を逃げ場にした私は今度は小関君から逃げるために大翔を逃げ場にしようとしている。
大翔が無事に退院した夜、ぎこちないなりにも、久しぶりに家族3人で囲む食卓は嬉しいものだった。
「大翔、いつまで仕事を休むつもり?」
「今週いっぱいまでは有給使えるからな。
仕事は来週から行くよ。」
「パパ、お仕事お休みなのぉ?」
「おぅ。明日少し公園でも行くか?」
千歌と私をちらっと見た大翔に頷く。
そうだ。
少しずつ
少しずつ
修復していけばいい…。
全てが無かった事にはならなくても…
私達がまた新しく家庭を築き直せばいい。
「明日…お弁当でも作って公園に行く?」
「いいな。そういうのも久しぶりだし。」