SWEET BUTTERFLY
「…君と息子は離婚したほうがいい。
ただし、君から言い出した事なら千歌の親権はもちろん大翔にしてもらう。」
「勝手すぎます。離婚を言い出したのは私だけど…
全てが私の責任ですか?
大翔には何一つ原因が無いと言い切るんですか?」
怒鳴るわけでもなく静かに呟いた私をお義父さんは呆れたように見つめた。
「息子に原因などあるわけがない。
うちは息子をそんな男に育てたつもりは無いからな。」
その言葉を聞いて、頭の中で糸がプツンっと切れたような音がした。
「親が親なら子も子ですね。だから大翔は家庭を顧みない自分勝手な大人に育ったんだわっ…!」
自分でも何を言っているのか分からなかった。
一瞬、大翔やお義父さんの驚く顔が目に飛び込んできたけれど、もう後にはひけなかった。