SWEET BUTTERFLY
エピソード11
「小春…お前はあの頃とはずいぶん変わっちまったんだな…」
遠くで聞こえる微かな声に目を覚ました私を
大翔は苦しいくらい切ない表情で見つめていた。
「…大翔?まだ起きてたの?」
「悪い。携帯を勝手に見た。
例の男とまだ…切れてたわけじゃなかったんだな…。」
私の隣でだらしなくあぐらをかきながら
見覚えのある携帯をいじっている。
「それ…私の?」
「そうだよ。
小関って?バイト先の男?」
眉間に皺を寄せた彼の表情を見て、一気に眠気が覚めた。
「…知ってどうするつもり?」
「…俺と離婚したいくらいこいつの事が好きなわけ?」
そう言われて返事に困る私に、彼は持っていた携帯を壁にバンッッと叩きつけた。