SWEET BUTTERFLY
「どっちなんだよっ!
俺なのか?他の男なのか?!
お前の中で愛してるのはどっちなんだよっ!」
千歌が目を覚ましてしまうんじゃないかと思うほど大声をあげた彼の迫力に、さすがに私も怖くて身体が固まった。
「どっちって…」
「お前が一緒にいたいのは俺なのか、他の男なのか今すぐにハッキリしてくれ…
じゃないと俺のほうがもう…堪えられない。」
目の前で泣きそうな彼を見た瞬間に、いつかの大翔と重なって思わず手を伸ばしていた。
「私…私っ…」
「俺なのか…?
俺を選んでくれるのか…?」
「私…
ずっとずっと大翔に聞いてもらいたい事があった。
わがままもあるけれどずっと…
ずっと我慢してたの…」
「…なんで?」
彼の胸に顔を押し当ててる私には彼が今どんな表情をしているのか見当もつかない。