SWEET BUTTERFLY
エピソード3
バイトを初めて一ヶ月が経った頃、ようやく仕事内容に慣れてきて
千歌は相変わらず、泣いたりもするけれど
それもなんとか、凌げるようになった頃、大翔の母親から一本の電話が入った。
「もしもしお義母さん?
どうしたんですか?」
大翔の母親から私に直接、連絡がくることなんて珍しくて
携帯を持つ手が緊張で汗ばんでいた。
「小春さん?
息子から聞いたんだけど…あなた、バイトをしてるんですって?」
「はぁ…。」
「仕事で疲れてる旦那に子供を任せてバイトだなんで…あなた何を考えてるの?」
その口調は実に淡々としていたが、苛立ちを隠せない様子でもあった。