SWEET BUTTERFLY
幼い頃から一度も親に叱られた事の無い、ある意味希少価値の高い夫をもった私は苦労ばかりしている。
70近くにもなって未だに子離れできないあの義母にとって大翔は孫の何倍も可愛い存在なんだ。
それを確信したのは千歌が生まれて1歳の誕生日の日だった。
めずらしく義母からの連絡を千歌の誕生日を祝う電話だと思っていた私に、義母は「来月の大翔の誕生日はケーキを買ってあげて」と言ったのだ。
孫の誕生日も忘れ30にもなる息子の誕生日ケーキの心配。
この親は頭がイカレてるんだと苦虫を噛み殺したような表情で聞いていたのが忘れられない。