SWEET BUTTERFLY
「これって…」
思い出した時、玄関の鍵が開く音に鼓動が跳ねる。
帰って来た…。
時計を見ると既に午前3時。
微かに頬を赤く染めてお酒の入っている大翔が私を見つけて驚いた顔をした。
「起きてたの…?」
「起きてたらマズイ?
連絡もしないで、どこで飲んでたのよ…」
「関係ないだろ。」
グラスに水を注いで、口に含むとすぐに煙草をくわえる大翔。
「…まだ離婚してないんだから関係あるのよ。
もし、浮気してるなら慰謝料も請求しなきゃね?」
横目で盗み見た彼の表情は明かに私に敵意を剥き出しにしていた。