SWEET BUTTERFLY
たわいない話しで盛り上がってるのかも分からないうちに予定の時間は過ぎたけれど、誰一人として現れない。
さすがに困った小関君がみんなに連絡をとりはじめると、私は我関せずと言った感じで店先に張り出されてるメニューを眺めていた。
「若月さん…、かなり言いずらいんですけど。」
「何?」
不意に見上げた彼が、動揺のあまり、かなり大きめなジェスチャーを加えて、今日は他に誰も来ない事を告げた。
「えぇっ?!なんで?みんなどうしちゃったの?」
「一人は、掛け持ちのバイトが入っちゃったらしくて…
もう一人は大学のサークルを断れないらしくて
もう一人は風邪だそうです…」
気落ちした小関君の声が消えてしまうんじゃないかと思うほど弱々しくて
正直、戸惑っているのは私も同じだけど返す言葉が見つからなかった。