SWEET BUTTERFLY
「ははっ…
さっすが小関君、カッコイイだけあって口説き慣れてるでしょぉ?
でも、亭主持ちの子持ち女口説いたって良い事ないのよ?」
小関君と高鳴る自分の気持ちに釘をささなきゃいけない。
さっきのは若い子の気まぐれな言葉。
本気なわけじゃない。
空笑いで彼から視線を逸らすと嫌な空気が二人を包んだ。
「…あなたは俺の事知らないから、そういう風に言うんでしょ?
でも、俺は誰にでもこんなこと言ったりしないです…。」
「そうだね、私は君の事を何も知らない。
知らないからこそ、これ以上を知りたくないの…」
それは怯えにも似た感情で、私の心を支配していた。