SWEET BUTTERFLY
「ママ?どうしたの…?」
もはや、今の私に千歌の声なんか届いていなかった。
慌ててハサミを手にしたものの…嫌な予感が的中していたら…
そう思うと封を切れない臆病な自分がいる。
「離婚」を言い出したのは私だ…
大翔はあの時、離婚するなんて言ってない。
震えるハサミがゆっくり封を切る。
封筒の切れ端を千歌が広いあげると「千歌、えらいから捨ててきてあげる。」と私の機嫌をとるような声が遠くで聞こえた気がした。
私の思い過ごしに決まってる。
震える指先で中の紙切れを引っ張り出すと
私だけ時間が止まったように
身動き一つとれなくなっていた。